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6月22日のまにら新聞から

疑惑役人のリサイクル工場か 前司法長官のSSS理事職推薦

[ 759字|2018.6.22|社会|新聞論調 ]

 アギレ前司法長官が最近、社会保険機構(SSS)の理事に推薦されたというニュースに驚いた人がいただろうか。彼は、麻薬王2人に対する起訴取り下げを決定して国民の怒りを買い、2カ月前に辞職したばかりだった。この問題だけでなく、前長官は国会議員の開発補助金流用事件の主犯格の1人、リム・ナポレス氏に証人保護措置を認め、デリマ上院議員に対する疑わしい証拠に基づく麻薬密売容疑での逮捕状請求を容認するなど多くの問題で国民に批判されていた。

 同長官の辞任は、「汚職に容赦しない」というドゥテルテ大統領の公約を実現した措置かとみられた。しかし、前長官は早くも5月29日のインタビューで別のポストが大統領府によって用意されるとの見通しを示していた。同機構の理事職就任が決まるか未定だが、こうして候補者に名乗りを上げられること自体、ドゥテルテ政権の不誠実さを示しているのではないか。

 ここにきてドゥテルテ政権のやり方が見えてきた。汚職疑惑にまみれた役人を一度は解任するものの、騒ぎが収まるとまた別の役職に就けるのだ。65億ペソの覚せい剤密輸疑惑で解任されたファエルドン前関税局長もこのほど、市民防衛室次長に任命されたばかり。そして汚職疑惑で社会保険機構の理事長職を追われたバルデス氏も農務次官として復活する。さらに麻薬取締作戦で麻薬容疑者の不審な殺害に関与したとして解任された国家警察の幹部たちの多くも別の部署に就任したり、中には昇任したりするケースも相次いでいる。

 このように一度解任されたものの再雇用先が用意されている疑惑役人のリストはまだまだ続く。フィリピンには、この大統領が作成したリサイクル用役人リストのメンバーよりも公職に就任するのがふさわしい人物は、他にもっと多くいると思うのだが。(16日・インクワイアラー)

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