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5月25日のまにら新聞から

外交的異議申し立てを 中国の爆撃機派遣問題

[ 792字|2018.5.25|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領は、かつて大統領選の選挙集会でフィリピン国旗にキスをする儀式を好んでやっていたが、大統領になって2年も経つと、国旗が象徴する国を守るというリップサービスすらしなくなった。しかし、中国がパラセル諸島に爆撃機を駐機させるなど、スプラトリー諸島の占拠と軍事化を完了させており、わが国は防衛手段を必要としている。

 大統領は最近の演説で、「いまや私は地政学を駆使している」と言い放った。彼はわが国の兵士たちの装備の貧しさに言及し、米国が残り物の武器を押し付けているとして偽善性を問うた。そして対中政策については、「外交的友人ゾーン」という用語を使った。「俺たちは友人だが、それほど親密ではない。はっきりさせておきたいのは、わが国には(軍備の)製造企業や才能がない。しかし、一国だけにわが国の軍備を任せることは許さない。地政学上、一国に軍備を任せたら自動的にその国の植民地だ」と。

 また、彼は敗北主義者的な物言いをする。「俺は中国に何もできない。(フィリピンの領有権を認めた)仲裁裁判所の判決は俺が大統領になる2、3カ月前に下された」と述べたがこれはうそである。もっとひどいうそを言っている。「俺はあの野蛮な戦争が始まる可能性に直面している。自分が勝つことができない戦争や戦闘には踏み込まない」と。大統領は中国に異議を申し立てる方法は軍事的手段しかないと考えている。しかし他にも方法はあるのだ。外交を通じた異議申し立てである。また、米豪日など同盟国や、インドネシアやベトナムなど東南アジア諸国との連携をさらに強化するのだ。

 ゴレス前大統領顧問(安全保障担当)もいわゆる「法的戦い」を推奨し、大統領のレトリックのように直接的な対峙は勧めていない。「戦わずして勝つ」のが一番だと、かの「孫子の兵法」でも言っているではないか。(22日・インクワイアラー、ジョーン・ネリー)

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