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4月1日のまにら新聞から

まず停戦、交渉再開へ 対共産党和平

[ 633字|2018.4.1|社会 (society)|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領が2016年の就任直後に行ったことの一つは、フィリピン共産党の指導者に和平交渉を提案することだ。恩師の共産党創設者ホセ・マリア・シソン氏が、49年間続く共産党軍事部門、新人民軍(NPA)の武装闘争を終わらせる道を見いだすことを、確信していたようだ。

 政治経済面では進展があったが、双方の停戦では合意できず、現場では遭遇戦が続いた。NPAによる警察車両への待ち伏せ攻撃で後続車の4カ月の乳児が死亡したとして、大統領は昨年11月23日、和平交渉の打ち切りを宣言した。

 政府は何千人ものNPAメンバーを投降させることができた。非常に魅力的な措置によるものとみられる。先月には和平を仲介するノルウェー特使が大統領と会談。先週には下院議員61人が、大統領に和平交渉再開を求める決議に署名した。

 交渉再開は、ドゥレサ大統領顧問が述べた通り「交渉を促す環境」が整った場合にのみ可能だ。ロレンサナ国防長官は、NPA側が停戦に合意して誠意を示さなくてはならないと語った。

 交渉の環境としてロケ大統領報道官は、敵対行為の中止や武装解除を求めているが、NPAにとっては全面降伏に等しく、受け入れられそうにない。

 今こそ、大統領が和平交渉再開の是非を決断する時だ。双方の停戦はよいサインとなる。そして交渉が再開できる。世界で最も長く続いている紛争の一つであるNPAの武装闘争を終わらせることは、わが国にとって大きな前進となる。(3月29日・ブレティン)

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