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1月28日のまにら新聞から

「オプラン・トクハン」とは 訪問麻薬捜査再開

[ 649字|2018.1.28|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ政権の違法薬物撲滅政策の目玉、そして国際的に知られるようになった麻薬捜査は「オプラン・トクハン」と呼ばれる訪問捜査だ。国家警察の警察官が各家庭を戸別訪問し、麻薬捜査を行うというもの。しかし訪問捜査中に警察官が麻薬容疑者を殺害する事件が目立つようになり、オプラン・トクハンは警察による人権侵害として国際社会で批判を浴びるようになった。

 「トクハン」という言葉はもともとドゥテルテ大統領がダバオ市長時代にデラロサ国家警察長官と同市で行っていた捜査方法を意味し、ビサヤ語だ。トクハンの「トク」は家庭を訪問した際の「トクトク」という扉をノックする音。そして「ハン」は「ハンギョ」で「たずねる」などの意味を持つ。

 デラロサ長官がいつも説明しているように、トクハンは強行的な捜査でなく、各家庭を訪問し麻薬使用や売買に関与していないか、たずねて回るという「血を見ない」捜査なのだ。しかし実際のところ、警察官は訪問捜査で抵抗をしていない容疑者、ときには10代の若者を殺害。その様子が写っている監視カメラの映像も多々存在する。

 ドゥテルテ政権発足後、警察官は人権侵害の取り締まりを行う者でなく、人権侵害を行う者となり、トクハンは警察に殺害されたことを表す言葉となった。人権侵害が国内外で問題となり2度中断されたトクハンだが、今月また再開することになったという。1年半の麻薬撲滅政策で、フィリピンの状況は改善されただろうか。警察には「真のトクハン」を遂行してほしい。(24日・インクワイアラー)

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