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12月17日のまにら新聞から

何のための延長か ミ地方感厳令

[ 628字|2017.12.17|社会|新聞論調 ]

 多くのマラウィ市民は、ミンダナオ全域への戒厳令延長に無関心だろう。無関心さは、同市の復興に対する絶望感から来ているのかもしれない。これまでにドゥテルテ大統領が布告した戒厳令が、彼らの故郷ががれきの山となることに何の抑止力にもならなかったからだ。それどころか、戒厳令は同市がじゅうたん爆撃で破壊されることを助長したのではないか。今回の戒厳令延長は一体何のためなんだろうか。

 憲法で決められた戒厳令布告の要件は「侵略もしくは反乱」であり戒厳令が公共の安全の維持に必要とされる場合だ。政府はマラウィ復興期間の治安維持に戒厳令が必要と説明しているが、戦闘が終わり侵略が実際にない状態でなぜ1年もの延長が必要なのだろう。

 批判も多いマルコス政権下での戒厳令だが、当時の戒厳令下では非常に厳しい検問が行われるなどしていたが、今回の戒厳令は正直なところ、たいした役割を果たしているとも思えない。ミンダナオ地方イリガン市に行く度に戒厳令下であるということを忘れてしまうほどだ。

 私はマラウィ市内にも家を持っているが、戦闘が終わった今も家に入ることを国軍から許されていない。ちなみに私の家は「グラウンド・ゼロ」と呼ばれる中心部の戦闘地域から離れた場所にある。戒厳令の延長は、マラウィの復興を助けることはない。1年延長したところで、マラウィの人々の壊された家や故郷、笑顔、戦闘開始前の人生はもう戻ってこない。(12日・インクワイアラー、マカバンキット・ラント氏)

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