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9月24日のまにら新聞から

新入生殺害に終止符を フラタニティー暴力

[ 712字|2017.9.24|社会|新聞論調 ]

 首都圏マニラ市トンド地区で19日朝、全身にやけどの痕や傷を受けた22歳男性の遺体が、毛布にくるまれた状態で見つかった。男性はサントトマス大学法学部新入生のホラシオ・カスティリオさん。同大学法学部の会員制友愛組織(フラタニティー)入会式で先輩会員らから暴行を受けて死亡した。フィリピンではフラタニティー入会式での暴行や殺害が何十年も問題になってきた。政府は対策を講じ、罪なき若者が暴行で死亡する事件に終止符を打たなければならない。

 フラタニティーは欧州発祥の会員組織で、比でも有名大学や軍・警察などにも存在する。入会の際に酒の一気飲みや暴力的な儀式を強要されることがあり、死亡事件も過去に多々発生している。しかし再発防止の対策が学校や政府により講じられていないのが現状で、入会式での暴力事件は毎年、比各地で起きる。

 1991年2月にアテネオ大法学部フラタニティー入会式での暴行で新入生が死亡。それを受け95年、暴力的入会儀式を規制する共和国法8049号が施行された。同事件では警察の捜査で浮上したフラタニティー会員35人のうち26人が起訴され、最終的に5人が殺人罪で有罪判決を受けた。

 同事件では、殺害の主犯となった学生らが罪を償う判決を下されたが、毎年発生する新入生暴行事件で実際に裁判にまで持ち込まれる例は少ない。今回のカスティリオさんの事件では、事件関係者は大学から構内への立ち入り禁止を命じられたが、警察は捜査を続け、主犯の学生らに判決が下るまで裁判は進むのだろうか。

 未来ある若者の暴行死の再発を防ぐためにも、共和国法8049号の改正や、大学による実効性のある防止策が求められる。(19日・スター)

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