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7月23日のまにら新聞から

住民の声に耳を 戒厳令延長

[ 678字|2017.7.23|社会|新聞論調 ]

 戒厳令がミンダナオ地方全土に布告されたとき、さまざまな期待や臆測が広まった。「戒厳令はミンダナオ地方に住む人々だけの問題だ」に始まり、「反対論者や悪影響を心配する人は、マラウィ市の交戦について考慮していない」とか、「戒厳令によってミンダナオ地方の問題が解決できる」といったものだ。

 これらは全て真実ではなかった。戒厳令の布告を法的に認めた最高裁判決でも、一部は否定されたが、戒厳令がミンダナオ地方の問題への対処法だとする考えは否定されなかった。

 憲法は、反乱などで市民の安全が脅かされた場合、大統領は国内のどこであれ戒厳令を布告できると定めている。しかし現状を見る限り、偽物の危機であっても抜け穴を潜り抜けて戒厳令布告の根拠となるようだ。

 大統領は実際にない脅威を根拠に戒厳令の延長を求めている。確かに、イスラム国(IS)は世界中でテロを起こそうと企んでいるかもしれない。だが、戒厳令布告の根拠となるのは、仮定の脅威ではなく、現実の危機である。

 また、戒厳令の延長は大統領により強い力を与えることはなく、現状の力を少し強調する程度のものでしかない。マラウィ市のイスラム過激派マウテ・グループはすでに壊滅目前で、ミンダナオ地方各地で戦闘を起こすほどの力はないのだ。

 大統領は、力の行使を勧める他の政治家ではなく、マラウィ市内の人々の声に耳を傾けるべきだ。同市内の司教は、延長を正当化するためにわざと制圧を遅らせているのではと批判。「支持を失いたくなければ、人々を安心させる努力をした方がいい」と忠告している。(21日・インクワイアラー)

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