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10月23日のまにら新聞から

新聞論調

孤立化の危険性  「離別」宣言の真意

[ 749字|2016.10.23|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領による米国との「離別」宣言はどう解釈すればよいのか。比政府高官は今後の数日間でその真意を説明する義務がある。安全保障分野における両国関係だけを意味するのか、あるいは経済関係も含まれるのか。

 比に拠点を置くビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の米企業で働く比人は120万人。今回の大統領発言を受け、今後の仕事に関して不安感を募らせているだろう。半導体製造分野において米国は一番の投資国で、比にとって一番の輸出先でもある。数百万人の在米比人は本国にいる親族に送金する。両国間の取引総額は250億ドルに上る。

 一国の大統領が特定の国との関係に不満を感じたのなら、相違点を話し合うため、正規のルートで解決しなければならない。

 南シナ海における領有権問題で、中国の主張を認めなかった仲裁判断は、スカーボロ礁における比の漁業権を侵害したと断じた。大統領は訪中時にこの問題を議題に挙げると語ったが、現段階で中国側から何の見解も示されていない。

 国際ルールに従わない友好国に歩み寄るため、長年同盟関係にあった国との関係を絶たなければならない理由が分からない。米中とて経済を含む複数の分野で協力関係にあり、その方が双方の発展にとって有益であると考えている。

 大統領は北京の財界人を相手には「世界に対抗するため、比は中国、ロシアとともに3カ国で連携する」と明言した。中国とロシアは米国の競争相手であるとともにワシントンとの関係も維持している。この3カ国は、国連が取り扱う問題についてはしばしば連携する必要性を理解している。

 われわれは同じ惑星に生きている。同盟関係においてゼロサムゲームを演じる国は、いつか国際社会から孤立する危険性をはらんでいる。(21日・スター)

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