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2月21日のまにら新聞から

つり上げ業者を罰せよ 豚肉価格高騰

[ 654字|2021.2.21|社会 (society)|新聞論調 ]

 食肉価格高騰による混乱の中、ドゥテルテ政権による食料サミット開催計画は前向きな取り組みだ。サミットは食料の安定的な確保へのアイデアをあたえてくれる可能性がある。一方で、消費者への供給を止め、価格つり上げに走った業界関係者の恥ずべき行為への追及の手を緩めてはならない。

 複雑な食料供給と価格の問題に対する政府のやる気のなさや無能さを隠すため、「不謹慎な商人」をスケープゴートに仕立てることが過去にはあったかもしれない。しかし、最近は業者による価格つり上げが事態を深刻にしてきた。

 2月9日に宣言され、短命に終わった豚肉供給業者による「ポークホリデー(一時的な販売停止)」は政府をいじめて価格上限を撤廃させる試みだった。しかし、ゲバラ司法長官が国家捜査局(NBI)に価格をつり上げる者を捕える命令を公表すると、価格は突然下がり、人為的な価格操作が存在するという、政府の言い分を証明した。

 農務省は先週、296億ペソを投じて、アフリカ豚熱で失われた豚の再繁殖計画をバタンガス市で開始。国内豚肉産業の復活を目指している。

 2018年には「コメ不足」からコメの小売価格が3年ぶりの高値を記録した。収穫期に入り、輸入が開始されるとすぐに米価は安定し、「不足」が人為的だったことが分かった。今回の豚肉も首都圏外からの供給増で落ち着きが見られている。

 この問題を政治的に騒ぎ立て、価格高騰の責任を農務相一人に押し付けようとした人々は、比人はばかではないことを肝に銘じるべきだ。(17日・マニラタイムズ)

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