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11月1日のまにら新聞から

副大統領は何のために? 職務内容を規定すべき時

[ 746字|2019.11.1|社会 (society)|新聞論調 ]

 ロブレド副大統領が先日、ロイターのインタビューでドゥテルテ大統領の麻薬戦争を激しく批判した。貧困層を標的にした失策でフィリピンのイメージを損なっており、今こそ打ち切るべきだという。彼女は個人的な意見を述べたのか、あるいは副大統領の職務として発言したのか?

 こうした問題提起をするのは、政策立案に関する副大統領の役割が憲法に何も書かれていないからだ。憲法では、副大統領は大統領と同等の資格と任期を持つと規定している。重要なのは、大統領が死亡や障害などにより職務が果たせなくなった場合に、副大統領が大統領として残りの任期を務めるということだ。これ以外に副大統領の職務は特に定められていない。

 ロブレド氏は政府に対する批評家のようだが、これは副大統領が果たすべき役割だろうか? 特定の職務のないこのポストに、公金がつぎ込まれている。8月、彼女は副大統領に関わる2020年予算の概算要求を下院予算委員会に対して行い、4億4768万ペソを承認された。19年予算から17%削減、一方で副大統領事務所が、選定した地方自治体に財政支援ができるようにしたという。

 副大統領とその職員に対して相当な金額が国庫から支出されている。副大統領は毎月35万ペソを超える給与、つまり1年で約420万ペソを受け取っている。これは16年に国会で承認された増額によるもので、以前の副大統領の月給は10万ペソだった。公邸の費用も国の負担で、警護官に守られてベンツのSクラスに乗っている。些細なことのようだが、主張したいのは、国のナンバー2の機能と職務、権力について定める必要があるということだ。ロブレド氏を好き勝手にさせておくのは間違いだ。特にその主張が政府の政策と食い違っている場合には。(29日・マニラタイムズ)

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