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2月22日のまにら新聞から

汚職監視のための自覚を 純資産報告書の新規則案

[ 772字|2019.2.22|社会|新聞論調 ]

 資産・負債・純資産報告(SALN)は公務員や政治家の間における汚職の蔓延を防ぐためにとても重要な文章となりえる。公認会計士報告書の重要性を訴えているビエンベニード・ゴンザレス氏は「この報告書は神がフィリピン人に与えたギフトだと思う」と述べている。汚職の蔓延により比では国家予算の少なくとも20%に当たる7000億ペソが毎年失われ、政府高官や政治家の蓄財に使われている。

 同氏によれば、この報告書は「クラウドソース」として情報公開し、どの政治家や政府高官が蓄財しているかを監視することもできる。扶養家族を含めた公務員らの資産報告書の提出は、憲法や公務員行動規範をさだめた共和国法で義務付けられている。国民の信託を受けた公務員が同報告書を提出するのは当然のことなのだ。

 しかし、下院議会は最近、この報告書の公開を制限する下院決議を1月30日に第2読会で通過させた。この決議案では、特定の下院議員の純資産報告書を公開するためには下院の過半数の賛同を得ることを義務付けている。しかも公開を求める際に申請者の身元情報を提供し、公開理由を提示し、その公開申請を下院委員会が審査する手続きとなっているのだ。また、純資産報告書の公開に1件あたり300ペソの手数料を課す。さらに下院議会の記録管理課が対象議員の報告書にある住所や未婚の子どもの氏名、資産の場所などの情報を黒塗りするなどして公開しないことも定めた。

 下院議会側は、これらの措置は議員らに対する嫌がらせや詐欺被害を防ぐためだと説明している。しかしゴンザレス氏はこの新規則は同報告書の目的を否定するものだと批判している。汚職を撲滅させる道のりは長く厳しいものだろう。しかし、希望を失わず資産報告書を今後も監視できるよう自覚を持った市民であり続けよう。(19日・ブレティン、ジョーイ・リナ)

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