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9月21日のまにら新聞から

防災のために山脈を守れ 台風オンポンの教訓

[ 771字|2018.9.21|社会|新聞論調 ]

 自然災害の際、生態系は国土の守り手になる。欲に駆られて森を切り払ってしまえば、台風オンポン(マンクット)のようなスーパー台風が直撃した時、山から水も泥も流れ出し、土砂崩れが起きる。

 フィリピンには、北はカガヤン州から南はケソン州まで、680キロメートルにもわたる国内最大のシエラマドレ山脈、コルディリエラ地域6州といくつかの州の一部を覆うコルディリエラ山脈、都市化が進みすぎて問題の多いタガイタイ市を擁するタガイタイ山地などの山脈地帯がある。2年前にはオンライン署名サイトのChange.orgでこうした山脈を守るための署名が行われた。その際、シエラマドレについて「国内の森林面積の40%を占める比最大の原生熱帯雨林である」とし、フィリピンワシなどの固有種を含む多数の野生生物の生息地であること、さらに先住民族にとって薬草庫であり聖なる地でもあることが指摘された。

 自然保護による防災と合わせて、災害が起きる前に人々を行動させる積極的な気象予報も必要だ。今回は、12日の時点で台湾がスーパー台風と予想していたにもかかわらず、比気象庁は通常の台風扱いだった。地方政府も避難所の準備を十分にしていなかった。比気象庁は全くもって受け身の対応だ。結局オンポンの通過後、ベンゲットでは土砂崩れに埋まった鉱山労働者の遺体を掘り出すことになり、ヌエバビスカヤ州では土砂崩れ災害の復旧作業を行っている。 

 我々が今回目撃したように、オンポンのメッセージは、山々を破壊するのを止めよということだ。我々はもっと木を植え、自然を敬わなければならない。

 しかしながら、シエラマドレのヌエバエシハ州の一画で地元政治家による採石事業がすでに始まっている。これは環境天然資源省鉱山地質学局による許可も得ている事業なのだ。(タイムズ、ルールデス・ティキア)

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