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10月30日のまにら新聞から

第4次産業革命に乗り遅れるな 国家開発戦略の見直し

[ 774字|2020.10.30|社会 (society)|新聞論調 ]

 多くの国で人々の生活、仕事、人との関わり方が根本的に変化している。この変化をもたらしているのが第4次産業革命(インダストリー4・0)である。

 「これまでの産業革命と同様に、第4次産業革命は世界の所得水準を引き上げ、世界中の人々の生活の質を改善する可能性を持っている」と世界経済フォーラム創立者のクラウス・シュワブ氏が書いている。

 2016年にシュワブ氏は「将来、技術革新は供給面の奇跡をもたらすだろう。それは効率性と生産性で長期的な利益を伴う。輸送と情報伝達の費用が下がり、グローバル・サプライ・チェーンの効率性が向上し、貿易費用を押し下げ、新しい市場が開き、経済成長を促すだろう」と予見した。

 この予見は技術が融合した形で現実化しつつある。モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ロボット工学、3Dプリンター、遺伝子工学、仮想現実、サイバーセキュリティ、データ分析、RFID(無線周波数認識技術)などが今では必須の技術となりつつある。

 インダストリー4・0は、これまでの産業革命を補い、その進歩の上に立つものだ。その第1は1784年に始まる家畜や人間の力から機械力への交代。第2は1870年ごろからの電気の普及と大量生産の進展。第3は1960年代からの電子工学、オートメーションの定着と情報技術とコンピューターの急速な進歩による情報処理と伝達の革新だ。

 第4次産業革命が速く、深いために、自国の開発戦略を見直している国が多い。これについてフィリピンの現状と課題を知る機会を得た。比はインダストリー4・0のロードマップを作成中で、すでに進めている取り組みもあるとのことだ。迅速に取り組みさえすれば、まだまだ比も地域でメジャープレーヤーとなり、大きな利益を得ることができるはずだ。(27日、ブレティン、ジョーイ・リナ)

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