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1月8日のまにら新聞から

祝砲犠牲者に正義を 二度と繰り返さないために

[ 702字|2017.1.8|社会|新聞論調 ]

 大みそかの夜、新年を祝う花火を眺めていた15歳の少女、エミリーン・ビリヤヌエバさんが流れ弾に当たり命を落とした。警察の調べは進んでおらず、彼女が祝砲に当たったのか、誰かを狙って故意に発砲された流れ弾の犠牲になったのかは明らかになっていない。しかし無実の少女が巻き込まれ、犠牲になったことに変わりはなく、彼女の他にもここ数年、たくさんの人々が祝砲の犠牲となっている。

 エミリーンさんは大みそか、首都圏マラボン市の自宅前で、友人に携帯メッセージを打ちながら、空いっぱいに打ち上げられる花火を観賞していた。そして年が明けるまで数分というところで倒れた。家族は急いでエミリーンさんを病院に運んだが、精密検査のスキャン画像を見るまで、エミリーンさんが何者かに頭を撃たれていたことには気付いてなかったという。

 厚生省やエミリーンさんの担当医は、祝砲に当たったと分析するが、首都圏警察マラボン署はその可能性を否定。エミリーンさんの周囲にいた誰かに向けて故意に発砲された流れ弾に当たったのだと主張する。それもそうだ。デラロサ国家警察長官は「祝砲犠牲者が出た地域を管轄する署長は解雇」と断言しており、解雇を避けたいマラボン署は、祝砲犠牲の可能性を断固否定するだろう。

 万が一警察の主張が合っていたとしても、ここ数年、同様に犠牲となった人々の事件はいずれも解決されていない。犠牲者に正義を求める抗議集会が何度開催されても、捜査はいっこうに進まないままだ。

 毎年、新年を迎えるたびに繰り返されるこの悲劇に終止符を打つため、政府や警察は、これ以上犠牲者を生まないようにさらなる対策を取るべきだ。(3日・スター)

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